私のデジタル断ちチャレンジ

「スマホは玄関」ルールで変わった、私と家族の穏やかな毎日

Tags: デジタルデトックス, スマホ断ち, 家事効率, 育児, 家族関係改善

導入:スマホに囚われていた私の日々

40代になり、家事や育児、パートの仕事と、毎日があっという間に過ぎていきます。そんな忙しい日々の中で、いつの間にか私の手にはいつもスマホがありました。食事の準備の合間、子供が遊んでいる隣で、ちょっとした休憩時間。気がつけばSNSをスクロールしたり、ネットニュースを眺めたりして、時間だけが虚しく溶けていく感覚に悩んでいました。

特に、リビングにいる時間が長く、ついソファーに座るとスマホを手にとってしまう自分がいました。その結果、家事が中断しがちになったり、子供が話しかけてきても「ちょっと待っててね」とスマホから目を離せなかったりすることも増え、自己嫌悪に陥ることが少なくありませんでした。このままではいけない、時間を有効に使いたい、そして何よりも子供たちと心を通わせる時間を大切にしたい。そんな思いから、デジタルデトックスに挑戦してみようと決意しました。

実践内容:「スマホは玄関」というシンプルなルール

漠然とデジタルデトックスと言っても、忙しい私に何ができるだろうかと考えました。特別なアプリを入れたり、複雑な設定をしたりするのは、正直続きそうにありません。そこで目をつけたのが、「スマホを物理的に遠ざける」という方法でした。

私が実践したのは、非常にシンプルなルールです。それは、「家に帰ったらスマホは玄関に置く」ということでした。

  1. 定位置は玄関の棚の上: 帰宅後、上着を脱ぐのと同じように、スマホは玄関にある小さな棚の上に置くことを徹底しました。充電器も玄関に設置し、充電も玄関で行います。
  2. 通知は原則オフ: 重要な連絡以外は、通知音やバイブレーションが鳴らないように設定しました。
  3. 緊急時以外は手に取らない: どうしても必要な時、例えばパート先からの緊急連絡など以外は、リビングやキッチンに持ち込まないように意識しました。

このルールは、技術的な知識が一切不要で、誰にでもすぐに始められる手軽さが魅力だと感じました。最初は習慣化できるか不安でしたが、場所を決めることで、「今、スマホはここにはない」という状況が自然と意識を変えてくれたように思います。

実践中の葛藤と小さな失敗

「スマホは玄関」ルールを始めてすぐは、やはり葛藤もありました。最初の数日間は、家事の合間や食後にふと手持ち無沙汰になり、無意識のうちにリビングのテーブルでスマホを探してしまうことがありました。そのたびに「あ、玄関だった」と思い出すのですが、その「行ったり来たり」が面倒で、くじけそうになったことも事実です。

また、「重要な連絡を見逃したらどうしよう」という漠然とした不安も付きまといました。しかし、通知をオフにしたとしても、家族や親しい友人からの電話やメッセージは、時間を決めて確認すれば十分だと徐々に理解できるようになりました。家族にもこのルールを説明し、協力をお願いする中で、最初は戸惑いの表情を見せることもありましたが、私が本当に変わろうとしていることを理解してくれたように思います。完璧を目指すのではなく、「まあ、今日はこれでよしとしよう」と、肩の力を抜いて続けることができたのが、成功の秘訣かもしれません。

変化と効果:得られた集中力と穏やかな時間

この「スマホは玄関」ルールを約3週間続けたところ、私自身の生活や心境に驚くほどの変化が訪れました。

まず、最も実感したのは家事や育児への集中力向上です。リビングにスマホがないことで、途中で通知に気を取られたり、SNSを覗き見したりすることがなくなりました。その結果、洗濯物を畳む、夕食の準備をする、子供の宿題を見る、といった一連の作業が途切れることなく進められるようになりました。以前は平均3時間半だったスマホの1日の使用時間が、現在は1時間半程度にまで減りました。この「減った2時間」が、家事や自分の時間、そして家族との時間に充てられるようになったのです。

次に、子供とのコミュニケーションが劇的に改善しました。以前は、子供が「ねえママ、これ見て!」と話しかけてきても、私がスマホに目を向けていると「あとでね」と言ってしまうことがありました。しかし今では、彼らが話しかけてくればすぐに目を見て「なあに?」と返せるようになりました。子供たちの笑顔が増え、私自身も彼らの成長を間近で感じられる喜びを感じています。夕食後の30分を、以前はスマホを見て過ごしていましたが、今では家族とボードゲームをしたり、夫とお茶を飲んで会話したりする時間に充てています。

そして、何よりも心の平穏を取り戻せたことが大きな変化です。常に情報に追われているような感覚や、SNSで他者と比較してしまうモヤモヤが薄れ、気持ちが穏やかになりました。自分の時間も増え、以前は諦めていた読書や手帳の整理、庭の手入れといった趣味の時間に充てられるようになり、生活の質が向上したと実感しています。

まとめ・学び:小さな一歩から生まれる大きな変化

今回の「スマホは玄関」ルールによるデジタルデトックスを通じて、私は「忙しい日々の中でも、工夫次第で時間は作れるし、心はもっと穏やかになれる」という大きな学びを得ました。大掛かりなことをしなくても、たった一つのシンプルなルールを実践するだけで、これほどまでに生活が変わるとは思っていませんでした。

もし私と同じように、スマホの利用時間が増えてしまい、時間が溶ける感覚や、家族との時間が希薄になっていることに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ「スマホの定位置」を決めることから始めてみてはいかがでしょうか。最初は慣れないかもしれませんが、完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ。玄関やリビングの隅など、手が届きにくい場所に置くだけでも、その効果を実感できるはずです。

デジタルデトックスは、スマホを完全に手放すことではありません。大切なのは、自分がスマホとどう向き合い、コントロールするかだと気付きました。これからもこの習慣を大切にし、自分と家族にとって、より豊かな時間を創造していきたいと考えています。